第59回全国国保地域医療学会

テーマ: 地域包括ケアシステムの更なる深化を目指して〜近代医学・西洋文化伝来の地からの発信〜

ごあいさつ

第59回全国国保地域医療学会の開催にあたって

長崎県国民健康保険団体連合会 理事長

宮本 明雄

(長崎県:諫早市長)

長崎県国民健康保険団体連合会 理事長 宮本 明雄

このたび、第59回全国国保地域医療学会を長崎県で開催するにあたり、主催者を代表して国民健康保険診療施設並びに国民健康保険関係者の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。

国民健康保険診療施設の皆様方におかれましては、少子高齢化が進展する中で高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、保健・医療・福祉、介護の連携を図り、地域包括ケアシステムの構築にご尽力されていることに対し、改めて敬意を表し心から感謝申し上げます。

さて、国民健康保険制度は、国民皆保険制度の根幹として地域住民の健康保持・増進に努めてまいりましたが、少子高齢化の進行、低所得者層の増加による収入の低下など、国保の事業運営は今まで以上に厳しい財政状況が続いています。こうした中、平成30年4月からは医療提供体制の整備を担ってきた都道府県が国民健康保険の財政運営の責任を負うことになり、私たちとしても国民健康保険制度の安定的な運営に全力を傾け、将来にわたり持続可能な制度を構築していかなくてはなりません。

本学会では「地域包括ケアシステムの更なる深化を目指して~近代医学・西洋文化伝来の地からの発信~」をメインテーマとしております。江戸時代の出島に象徴されるように、長崎から西洋の情報、文化、技術が日本にもたらされ、幕末から明治にかけては社会の各分野で日本の近代化に貢献した多くの先人たちがこの地、長崎で学んでいます。

西洋医学ではドイツの医師、シーボルトが1823年に来日し、閑静な鳴滝の地に医学教育の場である鳴滝塾を開き、西洋医学(蘭学)を学びたいと全国各地から大勢の門弟が集まる中、日本で初めて種痘を行い、後に東京大学医学部に発展するお玉ヶ池種痘所を神田に開いた伊東玄朴も塾生の一人として蘭学を学び、近代医学の発展に尽くしました。

現在、地方では医療従事者・医療資源の偏在により地域格差が拡大する中、国保診療施設の今後の役割として、住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせる社会の実現に寄与することが求められています。日本近代化の出発点となった長崎の地で討議したこの学会の成果が、来るべき時代に対応した地域包括ケアシステムの構築につながることを望みます。

最後に、今学会の開催にあたりお力添えをいただいている関係者の皆様方に心から感謝申し上げるとともに、今学会が実り多き有意義な学会となりますようご祈念申し上げ、ごあいさつといたします。